胎内の記憶
憶えていたはずの胎内の記憶は、だんだん薄れて、
四十歳を過ぎた頃には、ほとんど忘れてしまった
自分が書いていたものを読み返して、
「ああ、そういえばそうだったかも…」と、古い日記帳でも読んでいるときの、懐かしいような、不思議な気持ちになる
母と臍の緒でつながり、母の中に居る状態というのは、
まるで、母の臓器の一つになったような感覚だった…らしい
母の一部でもあり、個別のものでもあり、
一つのようで、二つ
二つのようで、一つ
一心同体というか…
二心同体というか…
母の声、
母の身体の動き、
母の感じていること、考えていること、心の動き…
外の気配、音、温度、天気、季節、時間の流れ、人間関係、環境…
色んなことを、感じていた気がする
一つの身体の中に、二つの魂が宿ってる感覚。
胎内から見て感じていた、その感覚をおぼえたまま、この身に魂を宿してみたかった
記憶がなくなってしまった今、それはもう叶わない
だけど、生命の神秘を語っても許されるかな…
出産経験がなくても、出産を語って大丈夫かな…
自信も無い
勇気も無い
それでも、どうしても、未来のために言っておきたいことがある
言葉にするのが難しいけど、
どうにか伝えられますように🙏
少しずつでも、綴れるように頑張ります